健康コラム|歯とお口の健康について
5

一生、自分の歯で食べるには?

記事提供/医療法人社団 いのこ歯科医院 理事長 猪子光晴

 前回は歯ブラシの基本的なことについてお話ししました。
 今回は歯ブラシの誤った使い方、オーバー・ブラッシングの問題についてお話しします。
 オーバー・ブラッシングとは、力を入れて硬めの歯ブラシでゴシゴシ磨くことで、時間をかけて磨くことではありません。オーバー・ブラッシングで起こる最大の問題は歯肉退縮(歯肉が下がる、歯根が露出、歯が長く見える)状態【図1】です。歯肉退縮は歯ブラシが行き届かないため起こる歯周病によるものと、オーバー・ブラッシングによるものとがあります。
 毛の硬いブラシで力を入れて磨くことは汚れが良く取れてスッキリしますが、歯肉退縮を起こしやすいので注意が必要です。また、日本人は歯ぐきの薄い方が多く、特に日本人の女性は歯ぐきが薄い傾向があります。歯ぐきの薄い方は、歯を支えている骨も薄く、その骨の上にある歯肉も薄い傾向があります。【図2】歯根の輪郭が歯ぐきの上からはっきり見えていたり、歯ぐきを透き通して歯根が見える歯ぐきの薄い方は要注意です。そのような方は、普通の硬さの歯ブラシで適切な歯ブラシ圧でも歯肉退縮が起こることもあるからです。
 歯周病予防には歯顎部のプラークを除去するのに最適なバス法【図3】があります。ただし、バス法では歯ぐきの薄い部分は歯肉退縮を起こしやすい傾向がありますので、歯ぐきの薄い部分についてはバス法からローリング法【図4】に変えると良いと思います。ローリング法ではどうしても歯顎部プラークの除去が完全ではないので、歯顎部だけ一歯磨き用の筆のようなブラシ【図5】をこの部分に応用するといいでしょう。
 毎日使われている歯ブラシの硬さは大丈夫か、力を入れすぎてないか、歯ぐきが薄い傾向か、今お使いの歯ブラシを持って、かかりつけの歯科医院でチェックをしてもらうと良いでしょう。
 次回は歯肉退縮の治療法についてお話しします。

※歯に関するご質問・お問い合わせは「住まいる編集部」まで

 

       
     
 

バックナンバー

 >> もし、歯が抜けてしまったら?パート1

 >> もし、歯が抜けてしまったら?パート2

 >> もし、歯が抜けてしまったら?パート3

 >> もし、歯が抜けてしまったら?パート4

 >> もし、歯が抜けてしまったら?パート5

 >> もし、歯が抜けてしまったら?パート6

 >> もし、歯が抜けてしまったら?パート7

 >> もし、歯が抜けてしまったら?パート8

 >> もし、歯が抜けてしまったら?パート9

 >> もし、歯が抜けてしまったら?パート10

 >> もし、歯が抜けてしまったら?パート11

 

 >> 一生、自分の歯で食べるには?パート1

 >> 一生、自分の歯で食べるには?パート2

 >> 一生、自分の歯で食べるには?パート3

 >> 一生、自分の歯で食べるには?パート4
 >> 一生、自分の歯で食べるには?パート5  >> 一生、自分の歯で食べるには?パート6
 >> 一生、自分の歯で食べるには?パート7  >> 一生、自分の歯で食べるには?パート8
 >> 一生、自分の歯で食べるには?パート9  >> 一生、自分の歯で食べるには?パート10
 >> 一生、自分の歯で食べるには?パート11  >> 一生、自分の歯で食べるには?パート12
CoCoCity